雇用調整助成金特例措置の更なる拡大

2020.04.29

このコラムでも度々紹介している、「雇用調整助成金」について、厚生労働省は4月25日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大を今後行うと発表がありました。

労働基準法上の基準(60%)を超える高率の休業手当が支払われ、また、休業等要請を受けた場合にも労働者の雇用の維持と生活の安定が図られるよう、休業手当の支払率60%超の部分の助成率を特例的に10/10にし、一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を特例的に10/10となります。

特例措置の詳細については、5月上旬頃を目途に発表になりますが、今回は発表された拡充点を以下にまとめました。

拡充1.休業手当の支払率60%超の部分の助成率を特例的に10/10とする

中小企業が解雇等を行わず雇用を維持し、賃金の60%を超えて休業手当を支給する場合、60%を超える部分に係る助成率を特例的に10/10とする。
※ 教育訓練を行わせた場合も同様

図:厚生労働省雇用調整助成金の更なる拡充について
厚生労働省公表資料「雇用調整助成金の更なる拡充について」より流用

拡充2.1のうち一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を特例的に10/10とする

休業等要請を受けた中小企業が解雇等を行わず雇用を維持している場合であって、下記の要件を満たす場合には、休業手当全体の助成率を特例的に10/10とする。

◆ 新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づき都道府県対策本部長が行う要請により、休業又は営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること

◆以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
①労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること
②上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払率60%以上である場合に限る)
※ 教育訓練を行わせた場合も同様

適用日

令和2年4月8日以降の休業等に遡及(4月8日以降の期間を含む支給単位期間に適用)
※対象労働者1人1日当たり8,330円が上限

まとめ

今回の注意点は受給率は変わりましたが、上限金額が8,330円のままと言う事です。
例えば、月給30万円の従業員を1カ月(20日勤務)休業させ、休業手当を30万円支給した場合、助成金として受け取れる額は概算で、

8,330円×20日=166,600円

となり、133,400円は事業主の持ち出しとなります。

従業員さんの方が報道を見て、全額受給出来ると思い休業手当を元の給料分支給するように交渉してくる会社もあるようです。
今の時点ではまだ発表があっただけで、詳細はまだ決まっていないので、内容を把握したうえで従業員さんと話し合われた方がいいかと思います。

 

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