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2019.03.08
2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行されます。弊所にもそれに伴い社労士さんを紹介して欲しいというお問い合わせを頂いております。
前回の続きで、「勤務間インターバル制度」の努力義務や、「割増賃金率」の中小企業猶予措置廃止、「高度プロフェッショナル制度」の創設、「産業医」の機能を強化、「3ヶ月のフレックスタイム制」が可能について説明したいと思います。
Contents
労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正により、2019年4月から勤務間インターバルの導入が事業主の努力義務となります。
「勤務間インターバル」とは、前日の業務終了時間から翌日の業務開始時間まで一定以上の休息時間(インターバル)を確保することで長時間労働を防止しようとする制度です。
「働いた時間」ではなく「働いていない時間」に着目して長時間労働を抑制を図ろうとする点において、従来にはなかった新しい労働時間制度と言えます。(例外として、自動車運転者は従来から休息時間による労働時間規制が行われています。)
事業主の努力義務のため、勤務間インターバルを導入しなかったとしても、それを理由に罰則に問われることはありません。また、勤務間インターバルを導入している企業が労働者に所定の休息時間を与えなかったとしても、それを理由に罰則に問われることはありません。
ただし、民事上は労働契約違反としての問題が生じることなりますので、所定の休息時間を与えることなく勤務を行わせることになる業務命令は“合理的な理由のないもの”として無効となり、当該命令に従わなかったことを理由に懲戒等の不利益な処分を科すことは認められません。
中小企業には適用が猶予されていた、月の残業時間が60時間を超えた場合、割増賃金の割増率を50%以上にしなければならないという制度が全ての規模の企業に適用されるようになります。
年収1,075万円以上で、一定の専門知識(金融商品の開発,金融ディーラー,アナリスト,コンサルタント,研究開発)を持った職種の労働者を対象に、本人の同意等を条件として労働時間規制や割増賃金支払の対象外とする制度が導入されます。
ただし、たとえば「コンサルタント」という肩書があれば無条件に高度プロフェッショナル制度の対象になるわけではなく、企業の経営戦略に直結する提言やアドバイスを業務とするコンサルタントに限定されます。資料作成の補助者などは、高度プロフェッショナル制度の対象者には含まれません。
2019年4月1日から、産業医との連携や情報提供強化を背景に、労働安全衛生法の改正で事業主には労働者の労働時間把握義務が正式な法的義務として課せられます(従来は、給与計算や法定帳簿の作成義務等に付随する事実上の義務だった)。
フレックスタイム制は、労使協定によって労働者に始業時間と終業時間を委ねることとした場合に「清算期間」を通じて“週平均40時間”まで勤務させることができる制度です。
従来、清算期間は最大で1ヶ月までとされていましたが、今回の法改正により、最大で3ヶ月までを清算期間とすることが認められることになりました。
これにより、従来はできなかった月をまたいだ繁閑への効率的な業務配分や、社員の生活上のニーズへの対応が出来るようになり、より柔軟な働き方が可能になります。
しかし、時間外労働の計算については注意が必要です。
清算期間を3ヶ月(1ヶ月を超える期間)にした場合でも、清算期間を通じて週平均40時間を超える時間が時間外労働となるのは従来と変わりありません。
ただし、清算期間を1ヶ月ごとに区分した各月において週平均50時間を超える労働時間は、その月の時間外労働として取り扱われます。
つまり、「清算期間の終了時に週平均40時間」または「各月の終了時に週平均50時間」のいずれかを超えている労働時間が時間外労働となり、割増賃金の支払いが必要となります。
今回の改正で雇用形態が大きく変わる会社様も御座います。
対策が必要かどうかも含めて、社労士さんに相談されることをお勧めします。
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