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2018.12.12
今まで、前職の時も含めて数千社の企業様と面談しまして、決算書を拝見する機会も数多くありましたが、顧問税理士さんの行っている会計処理に関して、問題点があっても企業様が気づいていない場合があります。
その一つを紹介します。
今回は社長からの借入金についてです。
貸付金と違い、社長が会社のお金を貸すことは運転資金が足りない時などによく行われるので処理自体には問題はないです。
ただ、それをいつまでも放置しておくと、後々で面倒な事態になります。
社長からの借入金が多くて起こる問題としては、一番は相続税の対象になる事でしょう。自己資本比率が下がるとかもありますが、もし、社長が亡くなられた時に資産を相続するのであれば、相続の対象になり、相続税が発生します。
些細な額ならそれほど大きな問題にはなりませんが、創業から数十年経っている企業様だと、社長からの借入金が数千万円になっているところをよく見かけます。
ではこれを決算書から消すにはどうすればいいか
①役員報酬を引き下げ、不足分は借入金の返済という形で受け取る。
②社長が債権放棄する。
大まかにはこの2種類です。
①の場合は、社長の収入は変えずに、内訳を変える形になります。この方法が一番よく使われます。ただ、借入額が大きい時に数年に渡って処理しないといけない場合があるので、社長が高齢の時は時間との勝負になることがあります。
②の場合は、一気に消す事が出来ますが、放棄した債権は会社にとっては利益になるので、黒字の会社の場合法人税が上がってしまう可能性があります。累積欠損金の額が多く、有効期限が切れそうな場合は相殺で消してしまうこともあります。
社長からの借入金があるのが問題じゃなく、借入金があれば、どこかのタイミングで処理していかないと、雪だるま式に増えていきます。
社長が70才代で、数千万円の社長借入金を抱えている企業様を何社も面談しましたが、顧問税理士からは何も言われていないので気になっているが放置しているという言われることが多いです。
数千万円の借入金を①の方法で消そうとすると、10年位かかる場合もあります。
税理士さんが何故消さないか理由聞きましたか?と聞くと、返ってくる答えは、問題ないからそのままでいいと言われたという答えが多いです。
そのまま放置しておいて、社長が亡くなられた後に多額の相続税を支払ったという企業様も御座います。
もし、決算書の社長からの借入金がある時は、税理士さんとどういう計画で消していくかを検討された方がいいです。まともに取り合わない税理士さんであれば変更した方がいいと思います。
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