雇用調整助成金の特例措置(新型コロナ特例)が延長されています

2021.01.22

『雇用調整助成金の特例措置』ですが、新型コロナウイルスの影響による現在の雇用環境から、2021年2月末まで延長されています。
昨年5月から変更されている点も多いので、再度内容のご案内と、今年1月以降に発表されている変更点についてまとめました。

支給対象となる事業主

新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。

1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
2.最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している(※)
※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。
3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

助成対象となる労働者

事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、「雇用調整助成金」の助成対象です。
学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)

助成額と助成率、支給限度日数

(平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率 (1人1日あたり15,000円が上限)
※平均賃金額の算定について、小規模の事業所(概ね20人以下)は簡略化する特例措置を実施しています。


(厚労省ホームページより抜粋)

本助成金の支給限度日数は原則として1年間で100日分、3年で150日分ですが、緊急対応期間中(令和2年4月1日~令和3年2月28日)に実施した休業などは、この支給限度日数とは別に支給を受けることができます。

2021年1月以降の変更点

Ⅰ大企業の助成率の緩和

緊急事態宣言の発出に伴い、特定都道府県(※)の知事の要請を受けて営業時間の短縮、収容率・人数上限の制限、飲食物の提供を控えることに協力する飲食店や劇場、映画館等について、雇用調整助成金の特例措置に係る大企業の助成率が下記のように引き上げられています。
(※)特定都道府県…栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主             2/3 →  4/5
解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主    3/4    → 10/10

Ⅱ短時間休業の条件の緩和

短時間休業によって雇用調整助成金を受給する場合、事業所に勤める全労働者が一斉に休業する必要がありましたが、特例措置により、短時間休業に活用しやすくなっています。
①シフト制をとっている職場の場合
⇒ シフト制における短時間休業にも活用可能です
(例:営業時間短縮によりシフト減した労働者の短時間休業)
②社内の部門や部署で働き方が異なる場合
⇒ 部署や部門ごとの短時間休業にも活用可能です
(例:業績の落ち込んだ一部門のみの短時間休業、製造ラインごとの短時間休業)
③宿泊業など常時配置が必要な労働者がいる場合
⇒ 職種等に応じた短時間休業にも活用可能です
(例:常時配置が必要な労働者以外の労働者の短時間休業)

Ⅲ.受給期間の延長

新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主は、雇用調整助成金を雇用調整助成金は、通常、1年の期間(対象期間)内に実施した休業等について受給することができますが、新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の延長に伴い、1年を超えて引き続き受給することができます。
※1年を超えて引き続き受給できる期間は2021年6月30日までとなります。

まとめ

本助成金にはほかにも細かい条件があり、また、今後の状況によっては、特例措置の内容も更新される可能性があります。
詳細は厚生労働省のホームページをご確認いただくか、社労士等の専門家に相談されることをお勧めします。
※使用される事業所が少ない教育訓練・出向については一部説明を省略しております。

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